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『Bloom into You』

河内ブログ

舞台「やがて君になる」encore
無事に全公演を上演し終幕いたしました。

ご観劇、ご声援を誠に有難う御座いました。


初演からencoreに至るまで約3年。


やるならベストな状況で。ということで、延期を決意し、朗読劇ささつ を経て、満を持しての今回。

encoreを一度見送り、ささつをお届けした当時に比べると幾分か、やり易くなった舞台業界ですが、

それでも、もちろん、今でも感染症の影響で思うように公演を続けられない作品も多くない状況の中で、

我々は初演を超えるべく稽古も本番も、精一杯努めてきました。


一番心配だったのは、やはりキスシーン。

まだコロナ禍になる前だった初演時、

私と相方の小泉氏は、例え見えない角度であれ劇中のキスシーン全てで本当に唇を重ねていたので、

今回ももちろん初演同様にするつもりでいました。

それを叶えるため、稽古場では感染対策、体調管理を徹底し、
実際に唇を重ねる本番期間には、我々2人は毎朝検査をして公演に望んでいました。

楽屋に入るや否や2人でビクビクしながら検査を始め「陰性」の結果に安堵する毎日。

どちらかに「陽性」が出た瞬間に終わりですし、濃厚接触者は免れないわけですから、

本当に何事もなくお互い元気いっぱいのまま終える事ができて本当によかった。


続投キャストの安定感と、新キャストの新鮮でナチュラルな溶け込み具合。

本当に素敵なメンバーに恵まれていたなと。改めて振り返ってみても最高の座組だったなと、思います。

特に両隣で一緒に作品を支えてくれていた、小泉氏、礒部氏には、舞台の上でも3年で築いてきた絆を感じる事が多々あって、終わってしまうなんて寂しいと、何度も思いました。

長い時間を共にしてきた作品と、それを共に創った仲間というのは、より一層、愛が深くなるもです。

他の作品でまたそれぞれに共演する事はあっても、この座組のメンバー全員が集まり共演することはもう無いんですよね。

でも、私達が創って届けてきたものは、温かい眼差しで受け取って下さった皆様の心には必ず残るんだ、と思うと、

それなら最高じゃないか、本望じゃないか、と、思うことができます。


キャストもスタッフも、そしてお客様も、全員が作品を心から愛する素敵な空気が、劇場を埋め尽くしていて、本当に幸せな空間でした。


この先、色んなことを選んで、色んなことが変わっていったとしても、やが君は私にとって、ずっとずっと大好きで特別な作品です。


舞台やが君を長らく応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。

これからも侑と燈子の、沙弥香の、みんなの、幸せを願っていただけたら嬉しいです。

 

それでは。

 

小糸侑 役  河内美里